置き換えダイエットの食材には納豆がよく食べられています。納豆からは豊かな大豆の栄養を摂ることができ、「畑の肉」と呼ばれます。また、納豆は納豆菌を加えて発酵させているため、大豆よりも消化がよく、さらに栄養価が高くなっています。

今回はこのような納豆が、置き換えダイエットに適している理由について説明します。

納豆は大豆の栄養をまるごと摂れる

朝ご飯のお供に定番の納豆は、蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させてできています。そのため、大豆の栄養をまるごと摂ることができます。

以下は、大豆と納豆の栄養素の比較です。

100g当たり 水煮大豆(平均値) 納豆(平均値)
エネルギー 140kcal 200kcal
たんぱく質 12.9g 16.5g
脂質 6.7g 10.0g
食物繊維 6.8g 6.7g
カルシウム 100mg 90mg
1.8mg 3.3mg
亜鉛 1.1mg 1.9mg
ビタミンB2 0.02mg 0.56mg
ビタミンK 5μg 600μg
イソフラボン 72.1mg 73.5mg

日本食品標準成分表2015年版、及び、内閣府食品安全委員会HPより引用

このように、納豆にはビタミン類やミネラル、たんぱく質など、体を作るために必要な栄養素がたっぷり含まれています。むしろ、納豆の方が大豆より何倍も高くなっている栄養素もあります

体をつくるたんぱく質

納豆にはたんぱく質が多く含まれています。ダイエット中はたんぱく質の補給が欠かせません。なぜなら、たんぱく質は筋肉を作る材料になり、体の代謝を上げます。そして、消費エネルギーを増やして脂肪を燃やす体を作るためです。

食事制限などで栄養素が偏りがちなダイエット中こそ、たんぱく質は重要な栄養素です。たんぱく質の摂取が足りないと、筋肉量が減って代謝が落ちてしまいます。その結果、いくら運動しても脂肪がエネルギーとして燃えない体になってしまうのです。

たんぱく質は筋肉になるだけではありません。体のあらゆる場所で使われています。例えば、マニキュアの映える爪、つややかな髪、キメのある肌など美しい女性の要素は、たんぱく質をしっかり摂ることで作られます。

たんぱく質を摂れる肉や魚などは、同時に脂肪分を摂ることになり高カロリーのものが多いです。そのため、ダイエット中はカロリーを気にして、食べる量を減らしてしまうことがあります。

以下は、食材のたんぱく質量と脂質量の比較です。

100g中 たんぱく質量 脂質量 100gの目安量
納豆 16.5g 10.0g 四角いパック2コ
牛肉(カルビ) 14.4g 32.9g  焼肉約1人前
鮭(焼き) 29.1g 5.1g 厚めの切り身1枚
卵(ゆで) 12.9g 10.0g Mサイズ2コ

上の表にあるように、納豆は肉や卵と同じ量でも脂質は少なく、たんぱく質の量を多く摂れます。脂肪分が気になるダイエット中に嬉しい食材です。

納豆に含まれる食物繊維が便秘を防ぐ

女性はもともと便秘になりやすい体です。なぜなら、女性の体には子宮があるため、子宮が腸を圧迫して腸の働きを抑えてしまいます。また、女性ホルモンの影響で便秘になりやすいためです。

加えて、ダイエットにより食事の量を減らしてしまうと便の量が減ります。また、栄養素が偏ったり、一日に必要な量を摂れなくなったりするため、便秘になりやすい女性が多いのです。

しかし、納豆に含まれる食物繊維が便秘を改善・予防する働きをします。

食物繊維は、腸内で水分を含むとふくらんで腸を刺激します。この刺激が腸の内容物を移動させる、ぜん動運動の働きを促します。

また、食物繊維は腸内に住む善玉菌などの腸内細菌のエサになります。そのため、善玉菌が増えて腸内の環境は良くなります。

さらに、納豆には納豆オリゴ糖も含まれています。オリゴ糖も善玉菌の好物です。

食物繊維とオリゴ糖を一緒に摂れる相乗効果により、便秘を改善・予防できるのです。

女性ホルモンを助ける大豆イソフラボン

女性の体に大切な働きをする、女性ホルモンがあります。大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをする栄養素です。大豆イソフラボンは大豆製品から摂れます。

1日の大豆イソフラボンの摂取量の目安は、50mgくらいが理想です。40g入りの納豆1パックからは約30mgの大豆イソフラボンを摂れます。そのため、1パックの納豆だけで1日の摂取目安量の半分以上を摂ることができます。

お味噌汁や豆腐、豆乳など他の大豆製品を使った食事からも、自然と大豆イソフラボンを摂っています。そこに、納豆1パックを取り入れるだけで、手軽で確実に大豆イソフラボンを補えます。

女性ホルモンはストレスや栄養バランスの偏り、寝不足、不規則な生活などで分泌が乱れやすいホルモンです。

通信機器やテレビ、24時間営業の店などで便利な生活ができるようになりました。しかし便利な反面、希薄でより複雑になった人間関係でストレスを受けたり、夜も昼もない生活をしたりするようになりました。

このような生活のなかで、強く美しい体を維持するために大豆イソフラボンは助けになります。

納豆菌が大豆をさらに栄養価の高い食品にする

大豆は栄養価の高い食材です。大豆に納豆菌を加えて発酵させた納豆は、さらに栄養価が高くなります。納豆菌が人の体に有益な栄養素を作り出すのです。

納豆菌が脂肪の代謝に必要なビタミンB2を増やす

ビタミンB2は脂肪をエネルギーとして使うために欠かせない栄養素です。ビタミンB2が足りないと、いくら運動や筋トレをしても脂肪はスムーズにエネルギーに変換できません。

大豆ではビタミンB2の含有量は0.02mgほどですが、納豆になると0.56mgになり約30倍も増えます。ビタミンB2を何倍にも増やしているのは納豆菌の働きです。

ビタミンB2が多いほかの食品は、肉や乳製品などの動物性食品がほとんどです。動物性食品には太りやすい動物性脂肪が含まれています。そのため、ビタミンB2を摂ろうとすると余分な脂肪分も同時に摂ってしまいます。

しかし、納豆であれば低脂肪です。また、納豆の脂肪分は植物性脂肪で体脂肪になりにくい、体に良い働きをする脂肪分です。

納豆菌がビタミンB2 を何倍にも増やすおかげで、体脂肪をより燃焼させることができます

納豆菌は消化酵素を作りだして、大豆の消化を良くする

栄養豊富な大豆ですが、消化されにくいのが難点です。しかし、納豆になると消化がよくなるため、栄養素の吸収が高まります。これは、納豆菌がたんぱく質分解酵素を大量に作り出して、消化を助けるためです。

栄養素が豊富に含まれている食材でも消化されなければ、栄養素はしっかり体に吸収されません。

大豆ではたんぱく質が体に吸収率されるのは65%ほどですが、納豆になると80%以上の吸収率になります。納豆菌の働きによりたんぱく質が不足しがちなダイエット中も、しっかりたんぱく質を消化・吸収できます。

納豆には丈夫な骨を作るビタミンKが多い

ビタミンKは、血液の正常な働きや丈夫な骨を作るために使われる栄養素です。ビタミンKの血液での働きは血液が固まるように助けることです。

例えば、料理中包丁で手を切って血がでても、しばらくすると血は止まります。これは、血液のなかに含まれる血液を固まらせる物質が傷口に集まるためです。この血液を固まらせる物質を作るときにビタミンKが使われます。

また、強い骨を作るためにもビタミンKは欠かせません。骨の主成分のカルシウムは、必要に応じて骨から血液中に出たり入ったりしています。これは、血液中のカルシウムの正常な濃度を維持するためです。

このとき、カルシウムが骨から排出されるのを抑える働きをビタミンKがしています。もし、ビタミンKが不足するとカルシウムが必要以上に骨から流れでて、骨がもろくなってしまいます。

ビタミンKは野菜にも多く含まれています。しかし、カルシウムと一緒に効率よく働いて効果を発揮するのは、納豆に含まれるビタミンKです。

ダイエットに運動を取り入れる方は多いです。例え、運動中に転んでもすぐに出血が止まり、簡単に骨が折れないような体にするため、ビタミンKは大切な栄養素です。

腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やして腸内環境を整える強い納豆菌

食物繊維が多く便秘解消に役立つ納豆は、納豆菌の働きによっても腸内環境を整えることができます。納豆菌は強い悪玉菌の増殖を抑えられるほど強力な殺菌力を持つ菌だからです。

例えば、集団感染などでニュースになる「腸管出血性大腸菌O-157」は、免疫力の弱い子供や体力が衰えている高齢者にとっては危険な大腸菌です。この腸管出血性大腸菌O-157の中に納豆菌を入れると、腸管出血性大腸菌O-157は4日ほどで消滅してしまいます。

このように、納豆菌はとても生命力が強いため、腸内でも悪玉菌を減らして善玉菌を増やす手伝いをしてくれます。しかし、いくら強いとはいえ腸内に定着はしないため、1週間ほどで外へ排出されてしまいます。

常に整った腸内環境を維持するために、定期的に納豆を食べて納豆菌を補給することが大切です。

納豆がダイエットに効果的な理由

納豆には、生きるために必要な栄養素に加えて、ダイエットを助ける働きをする栄養素が含まれています。

たんぱく質は腹持ちがよく、体温を上げる

何度も述べているように、納豆には良質なたんぱく質がたっぷり含まれています。たんぱく質は消化に時間がかかるため、たんぱく質を多く含む納豆は腹持ちがよい食材です。

腹持ちがよいとは「食べ応えがあって満足感があり、空腹になるまでに時間がかかること」をさします。

食べた物はいったん胃にとどまり、少しずつ小腸へ送り出されて消化されます。

このとき、野菜や果物の消化にかかる時間は、1時間前後です。そのため、すぐに胃が空っぽになって、空腹を感じてしまいます。

たんぱく質の消化時間には、約4~6時間かかります。長い時間胃にとどまるため、たんぱく質を食べるとお腹が空きにくいのです。

また、消化に時間がかかれば、それだけ消化のためのエネルギーを多く消費します。すると、体温が上がり体全体の消費エネルギーも多くなります。

お腹が空きにくく、食べることで消費エネルギーを増やせる食材はダイエットに必須の食材です。

納豆に含まれる脂肪は、太りにくい不飽和脂肪酸

納豆に含まれる脂肪分は、植物性脂肪の不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は体脂肪になりにくく、体に良い働きをします。

通常、たんぱく質を摂るときには、同時に脂肪分も摂ることになります。特に、肉類の脂肪分は飽和脂肪酸といって、体脂肪となり太りやすい脂肪分です。

以下は、納豆と肉類の脂肪分含有量の比較です。

食材100g中 脂肪分
納豆 10.0g
牛肉(ばら) 32.9g
豚肉(ばら) 40.1g
鶏肉(もも) 14.2g

上の表にあるように、納豆は脂肪分が少なく、その脂肪分は体脂肪になりにくいタイプの優秀なたんぱく源です。たんぱく質を摂るときは、納豆など不飽和脂肪酸を含む食材を選ぶように意識しましょう。その結果、体に脂肪がつきにくくなります。

便秘を防ぎ痩せる体になる

太りやすい方は、便秘で悩んでいることが多いです。便秘解消はダイエットの近道です。前述したように、便秘解消には、食物繊維やオリゴ糖が効果的です。

納豆にはこの両方が含まれています。食物繊維が直接腸の刺激となり、オリゴ糖は腸内細菌のエサとなってその働きを活発にして腸内を良好な環境にします。

便秘が解消されると、食材の栄養素はしっかり消化・吸収されるようになります。すると、体に栄養分たっぷりの血液がすみずみまで行きわたります。

食材のスムーズな消化・吸収、老廃物の排出が代謝のよい体を作ります。その結果、体脂肪を効率よく燃焼する体になれるのです。

納豆のトリプトファンが、ダイエット中のイライラを防ぐ

納豆には、イライラした気持ちを落ち着かせるために必要な成分の「トリプトファン」が多く含まれています。精神を安定させるときは、セロトニンというホルモンが分泌されます。このセロトニンを作るために必要となるのが、トリプトファンです。

ダイエット中は運動したり、甘いものを我慢したりすることが多いです。しかし、太りやすい体質の方は、もともと運動が苦手だったり、食べることが大好きだったりする方が多いのではないでしょうか。そのため、ダイエット中はストレスを感じてイライラしやすくなってしまいます。

納豆に含まれるトリプトファンが、このような挫折につながるダイエットのイライラを乗り切る助けになります。

また精神を安定させるセロトニンは、腸内環境が整っていないとしっかり分泌されません。腸内環境を整えつつイライラを解消する納豆は、ダイエットの強い味方です。

ダイエット中の不足しがちな栄養素を補える

納豆は栄養価の高い食材のため、ダイエット中の不足しやすい栄養素を補うことができます。

多くの女性は、美しく健康な体で自信を持って生きるためにダイエットをするのではないでしょうか。健康的な体や女性の美しさを維持するためには、さまざまな栄養素が必要です。

通常の食事でも普段から気を付けている方や栄養士の方などでなければ、すべての必須栄養素をきちんと毎日摂ることは難しいです。

これがダイエットをするとさらに難しくなります。なぜなら、カロリーを気にして食事内容が偏ってしまうためです。特に、栄養価の高い食材はカロリーの高いものが多いです。

例えば、肉や魚、卵などです。しかし、脂肪が多くカロリーが高いからと栄養価の高い食材を避けていては、健康的に痩せることはできません。

ビタミン・ミネラルなどさまざまな栄養素が互いに関わりあって、体の働きを支えています。多くの栄養素が豊富な納豆をダイエットに取り入れれば、健康で美しい体になるダイエットができるのです。