痩せやすい体になるためには、健康な体であることが大切です。本来体が持っている機能が正常に働いていれば、太ることはないのです。つらい食欲との戦いもせず、ダイエットを目的にして生きる必要はなくなるのです。

このとき、健康的な体も正常な食欲も、食事の内容がとても重要です。私たちの体や食欲の指令をだす脳は、私たちが自分で食べたものから造られているからです。

食事から摂取した栄養は、日々消耗されてしまいます。健康的で痩せやすい体をつくるため毎日必要な栄養を食事で十分におぎなう必要があります。

そこでダイエット中の女性が意識してとるべき大切な5つの栄養素をまとめました。

たんぱく質

たんぱく質は私たちの身体を作る一番基本の栄養素です。筋肉、骨、血液、内臓、ホルモン、免疫抗体、神経伝達物質にいたるまであらゆるところに使われています。

私たちの体はたんぱく質を使い、日々新しい細胞を作っています。運動をしたときや反対に運動不足のとき、病気・ケガをしたとき、ストレスを受けたときなどはより多くのたんぱく質が使われてしまいます。

さらに女性は毎月の生理、妊娠、出産、授乳、更年期と一生のうちで大きなストレスを経験します。そのたびに、たくさんのたんぱく質が消耗されてしまっているのです。

さらにたんぱく質は、身体だけではなく脳にも重要な栄養素です。脳の中の神経細胞同士の情報伝達により、「うれしい、楽しい、悲しい、不安」などの心の感情がつくり出されています。この神経伝達物質の材料もたんぱく質が元になっています。

心の安定を保つためにも、ストレスに強くあるためにも、たんぱく質は欠かせません。

また、全身に酸素を運ぶ役割のヘモグロビンも、たんぱく質が原料となりつくられます。摂取したビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素に対して、ヘモグロビンは体中の細胞に運ぶ「配達人」の役目をはたしています。体のすみずみに酸素やさまざまな栄養素がじゅうぶんに行き渡ることにより、脂肪をエネルギーに変えることができるのです。

このように、たんぱく質は体をつくる基本であり、とても重要な栄養素であるのに「ヘルシーで野菜中心の食事」や「カロリーが高いから肉は食べない」という女性が多いです。かつての私もそうでしたが、たんぱく質は痩せやすい健康な体や強い心をつくり、女性の魅力オーラを発揮するためになくてはならない基本の栄養素なのです。

たんぱく質は普通の食事内容では不足しやすい

では、どのようにたんぱく質をとればよいのでしょうか。たんぱく質を構成するアミノ酸には、必須アミノ酸と非必須アミノ酸があります。この中でも必須アミノ酸は人の体内では造ることができないため、食品から摂る必要があります。

女性が1日に必要なたんぱく質は、体重1kgあたり1~1.5gです。体重が50kgの方であれば50~75gのたんぱく質が必要になります。

しかし、単純に「肉を50g食べれば、たんぱく質を50g摂れるのか」というと、そうではありません。肉にはたんぱく質のほかに、水分や食物繊維なども含まれているからです。また、たんぱく質を構成しているアミノ酸は、過熱すると半減してしまいます。

例えば、肉に含まれるたんぱく質は100g中16~20gです。50gのたんぱく質をとるためには、およそ250gの肉が必要になります。これをふまえ、食事の中にしっかりとたんぱく質を取り入れる必要があります。

しかし、たんぱく質は一度に大量に摂取しても、体の中に貯めておくことができません。そのため、毎回の食事に肉や魚料理のメインディッシュをとり入れ、副菜に大豆製品を1品つけるなどのように意識します。たんぱく質を数回に分けて食事の中にとり入れることにより、1日の必要量をおぎなうことができます。

たんぱく質の種類

たんぱく質は肉類や魚介類、卵、大豆製品などからとれます。たんぱく質には種類があり、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質に分けられます。

動物性たんぱく質は栄養価が高く、ヒトの細胞と構成が似ているため吸収されやすいたんぱく質です。しかしたんぱく質は、一度にたくさん食べても貯蔵しておくことはできません。

多く摂りすぎたたんぱく質は、腎臓でろ過し尿として排出する機能があります。しかし、動物性たんぱく質ばかり食べてしまうと、腎臓に負担がかかり腎臓の機能を弱らせてしまう可能性があります。

そこで、腎臓への負担が軽い植物性たんぱく質も取り入れることが大切です。植物性たんぱく質の栄養価は、動物性たんぱく質に比べ低いものが多いです。

その植物性たんぱく質の中でも、大豆製品は動物性たんぱく質と同じほど栄養価は高いです。さらに、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を一緒に食べれば、栄養価が低い植物性たんぱく質であっても吸収率はアップします。

たんぱく質をしっかり食べることで体の内側から変化が起こる

体は約3万種類ものたんぱく質でできています。そのすべては、体内で合成する非必須アミノ酸と、食べた食材から合成するアミノ酸とで構成されます。合成するために必要なアミノ酸が1つでも欠けると、たんぱく質を作ることができません。

そのため、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の両方から、さまざまな種類の食材を取り入れることが大切です。

たんぱく質は筋肉や血液の原料になります。血液がしっかり体中を巡れば、体のすみずみまで酸素が行き渡り、代謝があがります。代謝があがり筋肉がしっかり働けば、脂肪をエネルギーとして燃やせる痩せやすい体になります。

さらに、たんぱく質は痩せやすい体だけに関与するものではありません。プルプルの肌や、割れにくい爪、ツヤツヤの髪の毛、ツルツルのかかとになるためにもたんぱく質が必要です。

私は夏もかかとがひび割れていて、クリームを毎日塗り、パックもしたりしましたがそれでもかかとがずっとひび割れていました。しかし、たんぱく質をしっかり食べるようになってから、気付いたら長年ひび割れていたかかとがツルツルになっていました。

このことからも、高級な美容液やボディクリームを何度も塗るまえに、たんぱく質をしっかりとることが大切だと実感しました。肌という土台がしっかりしていれば、美容液やクリームの吸収率はあがり、効果はさらにアップします。

コレステロール

ダイエットに良質なコレステロールを摂ることも重要です。

しかし「脂質を摂ると太る」「コレステロールの摂り過ぎは身体に悪い」というイメージが一般的です。健康診断などの血液検査にもコレステロール値の項目があり、肥満予防や成人病予防のためにコレステロールの摂り過ぎを注意されることがあります。

そのためダイエット中やダイエットをしていないときでも、卵や肉を控えてる方が多いのではないでしょうか。

しかし、単純にコレステロール値が低いことが体に良いとはかぎりません。事実、低コレステロールにより血管の弾力が失われたり、脳出血の原因になったりするなど、さまざまな問題を引き起こしてしまいます。むしろコレステロール値が高めのほうが、健康的に生活することができ、がんや認知症になりにくいことが研究でわかっています。

コレステロールは悪者ではない

そもそも、コレステロールは体に必要不可欠な成分です。コレステロールは女性の美しい体をつくるのに欠かせない、女性ホルモンの原料になります。さらに、身体や脳の細胞を包んでいる「細胞膜」を構成する成分の1つでもあるのです。

以前は食事のコレステロール量の管理が重要視されており、厚生労働省が管轄のもと、コレステロールの1日の摂取基準値もありました。しかし食品から吸収できるコレステロールの量というのは、全体の20%ほどに過ぎません。残りの80%はおもに肝臓(体内)で作られています。

そのためいまでは、食事中のコレステロール量は、血液中のコレステロール値への影響は少ないとして、1日の摂取基準値の設定はなくなっています。

もともと体内には、コレステロールを調整する機能が肝臓に備わっています。食品からコレステロールを多く摂れば、肝臓は造る量を減らします。反対に食品からのコレステロールの量が少ないときは、肝臓は造る量を増やします。

このようにコレステロール値が常に一定になるように、体はコントロールしています。そのため、食べ物からの影響はほとんどありません。むしろ食品からコレステロールをとることで肝臓の負担を軽くしているのです。

コレステロールは食欲に関するホルモンの材料になる

コレステロールは食欲にも関係しています。食欲は「お腹が空いた」「お腹いっぱい」というサインとしてインスリンやレプチンといったホルモンが分泌され、そのサインが脳に送られます。

そしてそのサインを脳がきちんと受けとり「何か食べる」または「食べるのをやめる」ように脳が指示を出し、食欲をコントロールします。このインスリンやレプチンといった食欲に関わるホルモンや脳から出される指示も、コレステロールが原料となります。そのためコレステロールが不足すると食欲をコントロールできなくなります。

コレステロールはストレスはから守る

また現代はストレス社会です。多くの女性は職場やプライベートでの人間関係、恋愛、子育てなど多くのストレスにさらされています。体や心にストレスを受けると、そのストレスから守ろうと脳は抗ストレスホルモンを分泌させます。この抗ストレスホルモンもコレステロールが原料です。

そのため、ストレスが多ければ多いほど、コレステロールの消費量も増えてしまいます。ストレスにさらされ続けると、うつ症状につながりかねません。実は、うつ症状の人のコレステロール値は低いということがわかっています。うつ状態にまではならなくても、コレステロール不足によってイライラしたり、攻撃性が増したりしてしまうことがあるのです。

食欲ホルモンやストレスホルモンは、脳から分泌されます。コレステロールは脳の細胞膜もつくっているとさきほどふれましたが、脳の神経細胞のかたちを作り、質を維持するために体内の1/4ものコレステロールを使います。また、神経細胞から神経細胞へと情報をすばやく正しく伝達するためにも、コレステロールは欠かせない栄養素なのです。

このようにコレステロールは、ダイエット中にストレスの影響を受けやすい食欲を正常に働かせつつ女性の魅力ある健康的な体と心を保つために、とても重要な栄養素です。

新鮮な食材からとれる新鮮なコレステロールであることが大切

ただし、古く酸化したコレステロールは細胞や体に良くありません。酸化したコレステロールは、まわりの細胞や良質なたんぱく質を酸化させてしまいます。そこで、新鮮な肉や卵などの動物性食品や新鮮な油から、コレステロールを取り入れることが大切です。

このときはビタミンCやビタミンEなどの、抗酸化作用(酸化を防止する作用)のある栄養素と一緒に摂りましょう。ビタミンCやビタミンEには、コレステロールの酸化を防ぐ働きがあるからです。

イソフラボン

豆腐や豆乳などに含まれるイソフラボンは、強い抗酸化作用があります。また骨や血管を強化する作用があります。イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに構造が似ています。そのため、女性ホルモンが関係するあらゆる症状を緩和し、改善する働きをします。

イソフラボンは若い世代にも起こる更年期障害の強い味方

無理なダイエットや偏った食生活は、ときとして貧血やカルシウム不足、女性ホルモンの低下を招いてしまいます。そのような症状の女性にもイソフラボンは、強い味方となる栄養素です。

女性ホルモンの分泌が低下してホルモンがアンバランスになると、更年期障害や骨粗しょう症が起きてしまうことがあります。近年では10代や20代でも女性ホルモンの低下により、更年期障害がおきてしまうことが増えています。

女性ホルモンのエストロゲンは、骨の代謝に深く関わっています。女性ホルモンが不足すると、カルシウムの代謝がスムーズに進まず、骨からカルシウムがどんどん溶け出してしまいます。これが骨粗しょう症です。このときイソフラボンは、エストロゲンのように働いてカルシウムの流出を防ぎます。

ダイエットをして痩せても、体を支える骨がもろくなってしまっては元も子もありません。そこでダイエット中もカルシウムの代謝をスムーズにおこない骨の強度を維持するため、イソフラボンを摂取しましょう。

イソフラボンが乳がんを抑える

反対に、女性ホルモンの分泌が過剰になり起こる病気として、乳がんがあります。イソフラボンは女性ホルモンの分泌過剰を抑制し、乳がんを防ぎます。イソフラボンの一種のゲニステインは、細胞ががん化して増殖するときに活発に働くチロシンキナーゼという酵素の作用を抑えて、がん細胞の増殖を防ぐのです。

またがん細胞は、増殖・転移するときに新しい血管を作り出し、そこから栄養を補給します。これを血管新生といいます。イソフラボンにはこれを抑える働きがあります。これを阻止すれば栄養の補給が断たれるため、がんは増殖できません。このようにイソフラボンはがんを強力に抑えます。

イソフラボンは脳を修復する

さらに女性ホルモンのエストロゲンは、脳の神経細胞の修復にも関わっているといわれています。脳の神経細胞の1つ1つは、機能を終えたら基本的に復活しません。その代わりにたくさんの手を広げて、ネットワークの構築をおこないます。そのネットワークを広げる作業にエストロゲンが関与しているといわれているのです。

イソフラボンは、エストロゲンに似た働きをします。名前を思い出しやすくなったり、料理をスムーズに進行したりなど、記憶力や判断力をアップさせる効果も期待できます。

記憶力の低下は、年齢に関係なく起こります。私も一時期、周りに心配されるほどの記憶力の低下が起こりました。私自身は言われるまでまったく気付かなかったため危機感もなく、そこまでひどいとも思っていませんでした。しかし同時期に、生理不順が起きておりホルモンバランスが崩れていました。

イソフラボンによるダイエット効果

イソフラボンは女性ホルモンの働きを助け、貧血を予防し骨を強くします。骨や血管といった体の基礎が強ければ、日常生活からエネルギッシュに動くことができ、自然と代謝も上がり痩せやすい体をつくることにつながります。

女性の魅力を保ちつつ、きれいにかつ健康的に痩せるために、イソフラボンを摂ることは大切です。若いうちから積極的に摂ることで、ホルモンバランスを普段から正常に保つ助けになります

イソフラボンはエストロゲンに似た働きをするだけでなく、エストロゲンが過剰にならないように調整する作用もあります。そのためイソフラボンの過剰摂取は心配ありません。

毎月生理のある女性にとって、鉄はとても大切な栄養素です。しかし鉄は、不足しやすい栄養素でもあります。毎日皮膚の代謝や汗などから約1mgが排出されてしまいます。それに加え、毎月の生理のときなどは1日に約2mgも排出されてしまうからです。

健康診断でも発見されにくい隠れ貧血

「健康診断を受けていて、血液検査でも引っかかっていないからわたしは大丈夫」と思われる方がいるかもしれません。しかし通常の血液検査では、貧血が発見されにくいことがあります。通常の血液検査では、赤血球に含まれるヘモグロビン値を基準に診断されます。

体内の鉄は、酸素を運搬するヘモグロビン(機能鉄)と、鉄の貯蔵に使われる血清フェリチン(貯蔵鉄)・鉄の輸送に使われる血清鉄(貯蔵鉄)に分けられます。

まず、血液中の鉄の量が不足し始めると、最初に血清フェリチン(貯蔵鉄)が減ります。次に血清鉄(貯蔵鉄)が減ります。それでも足りなくなると、赤血球のヘモグロビン(機能鉄)が低下するのです。

このように、赤血球のヘモグロビンはかなり鉄不足が進行しない限りは減りません。そのため通常の血液検査では、かなり鉄不足が進まないと貧血とは診断されません

赤血球のヘモグロビン(機能鉄)が不足しても、血清フェリチンや血清鉄といった(貯蔵鉄)によって補われます。そのため鉄不足になっていても、すぐには貧血の症状はでないのです。

もともと鉄の吸収率はとても低く、摂取した食品の10%ほどしか吸収されません。そのため、ほとんどの女性の鉄の摂取量は足りていません。鉄の摂取量が足りないと、貯蔵できる鉄も少なくなります。貧血症状がなく血液検査で貧血と診断されなくても、気付いたときには貧血の一歩手前ということがあるのです。

また、反対に貯蔵鉄は十分あるのに(血清フェリチンの数値は正常なのに)、血清鉄の数値がとても低いという貧血症状が増えています。これは、貯蔵庫に鉄は十分あるのに、それがうまく体内に出回っていないという状態です。

さまざまな体調不良は鉄不足が原因

鉄不足はさまざまな体調不良を引き起こします。たとえば疲労感、異常な睡魔、寒気、動悸や息切れ、うつ、集中力や記憶力の低下など不定愁訴(病気とまではいえない、漠然とした身体の体調不良のこと)です。これらは潜在的な鉄不足が原因だと考えられます。

そのほかにも髪の毛がよく抜ける、あざができやすい、氷をバリバリ食べるなどの症状も鉄不足の可能性があります。私も貧血がひどかったとき、これらすべての症状がありました。そのときは原因がわかりませんでしたが、血液検査をすると貧血と診断されていました。

特にひどかったのは、食事中や食後すぐ息ができなくなったり、前髪から横髪にかけて頭皮が透けるほど薄くなったり、ぶつかった記憶がないのにあざができていたりしたことです。

食べないダイエットや、かたよった食生活は鉄が不足する原因になります。実際に、女性の1/3~半数は潜在性の鉄欠乏だといわれています。

鉄が女性のダイエットに必要な理由

また女性は妊娠したときに、母体と胎児に栄養と酸素を送り続けるため血液量が増加し、鉄の必要量が増えます。普段の約2倍の鉄が必要になります。妊娠したときに潜在性の鉄欠乏であると貧血になってしまいます。赤ちゃんを育てるためにも鉄は欠かせません。そのため妊娠前から、貯蔵鉄をしっかり増やしておくことが大切です。

赤血球のヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ働きをします。体のすみずみに酸素がきちんと行き渡れば、細胞の1つ1つが活生化して新陳代謝が活発になります。新陳代謝が活発になれば脂肪をエネルギーに変える働きが高まり、脂肪が燃えやすい体になります

さらに、免疫力が高まります。免疫力が高まれば、体中の機能が高まります。鉄がきちんと働いてくれることは、痩せるための健康な体を造るためにも重要なのです。

鉄は身体にとって、とても貴重な栄養素です。通常ミネラルには、多く摂取した分は尿から排出し、足りないときは腎臓で回収して再利用する「排泄機構」という調節機能があります。しかし鉄はこの排泄機構をもちません。無駄なく使うために尿からは排出されず、体内で循環し再利用されるしくみになっているのです。

このことからも、体にとって鉄分は重要で貴重な栄養素だということがわかります。

鉄の吸収されやすい摂りかた

鉄をとるときは、たんぱく質と鉄の吸収を促進するビタミンCの摂取を心がけることで、吸収率が上がります。さらに、摂取した鉄をしっかり吸収できるように、食後30分はタンニンやカフェインを含む飲み物(緑茶・紅茶・ウーロン茶・コーヒーなど)は避けることが大切です。

タンニンやカフェインは体内で鉄と結合し、鉄の吸収を阻害する作用があるため避ける必要があります。

鉄分には、ヘム鉄(動物性)と非ヘム鉄(植物性)の2種類があります。一般的に、ヒトと同じ動物性のヘム鉄の方が吸収率は良いとされています。しかし「鉄欠乏時には、非ヘム鉄(植物性)の吸収率が非常に高くなる」ことが研究でわかってきました。

このことは厚生労働省のホームページにも書かれています。わかりやすく説明すると、「鉄欠乏時にはレバー(ヘム鉄)よりも、小松菜(非ヘム鉄)のほうが鉄は吸収されやすい」ということです。とくに鉄欠乏性貧血だとわかっているときなどは鉄の吸収は小松菜や春菊など鉄分を多く含む食材を取り入れる方が高いのです。

ビタミンB群

ビタミンB群は、たんぱく質・脂質・炭水化物を代謝するために欠かせない栄養素です。三大栄養素がエネルギーに変わるのを促進させる働きがあります。たんぱく質で体の土台が作られ、ビタミンB群はそのたんぱく質の働きをさらに活かすのです。そのために、セットでとる必要があります。

甘いものの代謝に欠かせないビタミンB1

毎日の食事や間食で白米や小麦粉製品、砂糖が使われているものを食べない日はないのではないでしょうか。ご飯はもとより、惣菜パンや菓子パン、スィーツ、飲み物など、炭水化物や糖質はありとあらゆる食品に使われています。

毎日大量に口にしている炭水化物をエネルギーに変えるとき、ビタミンB1は欠かせないビタミンです。糖質の多い白米やパンや、女性が大好きな甘いものの代謝に欠かせません。代謝されずに残ってしまった炭水化物は、脂肪になって蓄積してしまいます。

さらにビタミンB1には脳や神経の働きを正常に保ち、疲労やストレスを解消する効果があります。糖質の代謝がうまくいかないと体内に乳酸などの疲労物質がたまります。

そのため疲れやすくなり、イライラしやすくなるなどの症状があらわれます。見た目にも疲れていて、イライラしている女性は魅力的とはいいがたいです。

ビタミンB1は大量に摂取してしまいがちな炭水化物を脂肪に変えず、しっかりエネルギーとして使うために重要です。エネルギーとして使わると、エネルギッシュに生き生きと動けます。体が軽ければ、1つ1つの小さな動作も面倒くさがらずにできるようになります。女性らしい所作美人も、栄養をきちんととることが関係しているのです。

また、神経活動をコントロールしている脳も、多くのエネルギーを必要とします。脳にきちんとエネルギーが供給されるよう働き、集中力を高め記憶力がアップするためにビタミンB1は大切なのです。

うなぎ、豚ひれ、豚ロース、胚芽、カシューナッツなどにビタミンB1が多く含まれています。米や小麦といった穀物にも含まれていますが、精製され白くなるほどビタミンB1の含有率は減ってしまいます。精白された白米や小麦粉からビタミンB1はほとんど摂取できません。

そのため、お米やパンを食べるさいは精製度の低い胚芽米や全粒粉を使った色の濃いものを選ぶことが大切です。パンの種類にはライ麦や小麦ふすまを使ったパンなどもあり、選べる楽しさも増えています。

細胞を再生させて若々しさをつくるビタミンB2

ビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれ、体の細胞の新陳代謝を促進します。細胞の再生に関わっているため、肌荒れや髪のパサつき予防など美容対策に効果を期待できます。若々しい女性であるために大切な栄養素です。

三大栄養素のたんぱく質・脂質・炭水化物のどの代謝にもビタミンB2は有効にはたらきます。とりわけ脂質からのエネルギーの代謝に深く関わっているため、ダイエットをしている人は積極的にとりたい栄養素です。

ビタミンB2は水溶性のため、体内に貯めておくことができません。そのため毎日とることが大切です。豚レバーや卵、サバ、きのこに多く含まれます。

女性ホルモンや神経伝達物質に欠かせないビタミンB6

ビタミンB6も女性に大切なビタミンです。ビタミンB6には、月経前症候群やつわりの症状をやわらげる効果があります。月経前症候群やつわりといった症状は、女性ホルモンのエストロゲンが関係しており、エストロゲンの代謝にはビタミンB6が欠かせないからです。生理前や妊娠中は特にビタミンB6の摂取を意識することが大切です。

ビタミンB6は神経伝達物質の生成とも深い関わりがあります。たんぱく質の分解・合成が滞ると、アミノ酸の代謝も停滞します。その結果、アドレナリン、ドーパミン、セロトニンなど神経細胞間で情報を伝達する物質(神経伝達物質)が不足してしまいます。そのためうつや不眠症といった精神状態にも影響します。

ホルモンや神経伝達物質が不足すると、体は不足したホルモンや神経伝達物質を補うことにエネルギーを注ぎます。うつや不眠症といった精神状態になってしまうと、動くことさえままならなくなることがあります。痩せるためにエネルギーを使えず、体はダイエットどころではなくなります。

心と体両方とも健康であることがダイエットには大切です。そこでビタミンB6が豊富なマグロやカツオ、にんにく、ピスタチオなどから女性の体に必要な栄養をとり入れることで、健康的に痩せる体と心をつくることが重要です。

血液を作りだすビタミンB12

ビタミンB12は「赤いビタミン」とも呼ばれ、特に重要なのが骨髄で赤血球を作りだす働きです。ビタミンB12と葉酸は共に血液を作りだすのに必要で、協力して赤血球のヘモグロビンの合成を助けます。どちらの成分が不足しても悪性貧血を招いてしまいます。

また神経系の機能を守る働きがあります。さらにはメラトニンというホルモンの分泌を調整し、睡眠などの生体リズムを整えます。質の良い睡眠は、健康的な魅力オーラを発揮するためにも大切です。

ビタミンB12はおもに動物性食品にのみ含まれています。そのためダイエットなどで野菜中心の食生活をしている人は、不足している可能性があるので注意が必要です。ビタミンB12が多く含まれている食品は、肉類ではレバーや内臓です。魚介類では、種類を問わず貝類に豊富に含まれています。例外的にのりにも豊富に含まれています。

細胞の新生にも重要な葉酸

葉酸は遺伝情報をもつDNAの合成にかかわり、細胞の新生(生まれ変わり)にも重要な役割を担っています。葉酸がもつ作用は胎児の発育に必要不可欠です。妊娠を希望している女性や妊婦には、とくに重要な栄養素です。なぜなら、妊娠初期に葉酸を十分摂取しておくことで、胎児の神経管閉鎖障害という無脳症の先天性異常のリスクを軽減することがわかっているからです。

葉酸は新しい赤血球をつくりだすために必須の成分です。赤血球の元になる赤芽球をつくり出すときに使われます。「造血のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12とともに働き貧血を防ぎます。

葉酸はレバーに多く、特に牛レバーに豊富に含まれています。ブロッコリーやケールといった緑の濃い野菜にも多く含まれています。

ビタミンB群まとめ

ビタミンB群は他にもナイアシン、パントテン酸、ビオチンもあります。これらビタミンB群は、ほとんどの女性が不足しています。現代はストレス社会といわれていますが、ビタミンB群はストレスを感じたときに大量に消耗されてしまうからです。

例えば、ダイエット中で「甘いものを我慢する」「運動を増やす」「職場の人間関係でストレスを受ける」「スマートフォンやパソコンで頭を使う作業をする」「アルコールを飲む」「薬を飲む」「カゼをひく」「疲労を感じる」などといったことでもビタミンB群が消費されてしまいます。

栄養素はほかの栄養素との連携により、さらに効果がでます。ビタミンB群はとくにその傾向が強いため、単体でとるよりもまとめて摂取することで効率よく作用します。

まとめ

ダイエット中の女性に特に必要な栄養素は、たんぱく質、コレステロール、イソフラボン、鉄、ビタミンB群です。

カロリーが高いからと避けてしまいがちなたんぱく源の肉、魚介類、卵、大豆製品こそ食事に取り入れることが大切です。さまざまな種類のたんぱく質の摂取を心がけるだけでも、5つの栄養素をおぎないやすくなるからです。

痩せることばかりに意識してしまうと、「なぜ痩せたいのか」「痩せてどうなりたいのか」う本来の目的を見失ってしまうことがあります。

きれいになって魅力的になるためのダイエットが、体を壊してしまうダイエットになってしまうことがあります。これを避けるためにたんぱく質、コレステロール、イソフラボン、鉄、ビタミンB群を意識して摂り、健康的で痩せやすい体を目指しましょう。