ダイエット中の女性が持つ悩みの一つに、便秘があります。便秘になるとポッコリお腹になり、スタイルが気になります。吹き出物やニキビができるなど、便秘はお肌にも悪影響があります。

さらに、便秘の状態が続くと代謝が悪くなります。代謝が悪くなると、食べたもののエネルギーが消費されにくくなるため、太りやすくなってしまいます。

便秘は、腸内環境が悪化するために起こります。腸内環境をコントロールしているのは、よく耳にするようになった「腸内フローラ」と呼ばれる腸内細菌です。

この腸内細菌のバランスがくずれると、体に悪い働きをする悪玉菌などがふえます。その結果、便秘になるのです。便秘になると、悪玉菌や長く残っているうんちから腐敗物質や毒素が出されます。

その腐敗物質や毒素が、腸から吸収されて血液にのり全身にまわると、代謝が悪くなってしまいます。すると、お肌にブツブツがでたり、いくら運動をしても痩せなかったりと体にさまざまな影響がでるのです。

そこで、腸内環境を整えて体に良い働きをする善玉菌などの腸内細菌をふやすことが、ダイエットには大切です。

ここでは腸内細菌のバランスを整えて、腸内環境を良くする食事や食材を確認していきます。

腸内細菌のバランスを整えて痩せ体質になる

腸内細菌の好物は「食物繊維」「発酵食品」「オリゴ糖」です。食物繊維が多くふくまれている野菜や根菜類、キムチや納豆などの発酵食品は自然の食べ物です。

自然のままの食べ物は、栄養が豊富でカロリーが少ない食品です。それに加えて、食物繊維は腸内でほとんど吸収されません。たくさん食べても太りにくい食材です。そのため、食物繊維や発酵食品をとりいれた食事は、ダイエットに最適です。

また、発酵食品は腸内細菌のエサになり、腸内細菌を元気にします。良い腸内細菌が元気に動くと、腸の働きが良くなります。すると、食べものの消化やうんちの排泄がスムーズになります。

腸内環境が良ければ、腸は食べものから栄養素をしっかり吸収します。その栄養素をたっぷりふくんだ血液が全身に回ります。その結果、代謝が良くなりエネルギーを燃やしやすい体になるのです。

そのため、ダイエット中の人ほど食物繊維の多い野菜や発酵食品をたくさん食べ、腸内環境を良くすることが重要になります。ところが、便秘になりやすく太りやすい方は、野菜や発酵食品を食べる量が足りていないことが多いです。

例えば、ダイエット中の食事制限があります。ダイエット中は、「とにかく痩せたい、少しでも体重を落としたい」という気持ちが強くなります。そのため、食べること自体が太ることと考えてしまいがちです。

そこで、カロリーを減らした食事をしたり、たんに食事の量だけを減らしたりしてしまいます。すると腸内細菌のエサが減るため、腸内細菌のバランスがくずれ始めます。

さらに、うんちになる材料も減るため便秘になってしまいます。その結果、腸内環境が悪くなるという悪循環になるのです。

腸内環境を良くして痩せやすくなるために重要なことは、食べる量を減らして摂取カロリーを少なくすることではありません。そうではなく、「なにを食べるか」が大切です。

腸内細菌ダイエット簡単レシピ

腸内細菌を整えるために必要な食べ物は、何があるのでしょうか。

良い働きをする腸内細菌をふやして腸内環境を整える食べ物は、前述の通り「食物繊維」「発酵食品」「オリゴ糖」などです。これらは腸内細菌の大好物です。食物繊維や発酵食品などをたくさん食べることで、腸内で良い働きをする細菌がどんどん増えます。

食物繊維が豊富な食材は野菜や海草です。また、発酵食品にはみそや納豆があります。このような食材をバランス良く毎日の食事に加えることが大切です。

水溶性食物繊維は腸内細菌のエサになり、良いうんちをつくる

食物繊維は、野菜や豆、海草などに多くふくまれています。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。腸内細菌は水に溶けて発酵しやすい水溶性食物繊維をより好んで食べ、発酵させます。

腸内細菌が水溶性食物繊維を発酵させてつくった成分は、体に栄養として吸収されます。また、水溶性の食物繊維をエサにした腸内細菌はどんどんふえます。その結果、腸内環境が良くなるという好循環になるのです。

水溶性の食物繊維がふくまれる食品には、納豆などのネバネバや海草のヌルヌルがあります。水分をふくんだ粘着性が、やわらかいうんちをつくります。

また、そのネバネバが、一緒に食べた太りやすい炭水化物や肉、脂肪分といった太りやすくする要因をからめ取りながら腸内をゆっくりと移動します。そのため、肉や脂肪といった高カロリーのものの吸収をゆるやかにします。

では、腸内細菌がよろこぶ簡単レシピを具体的に紹介していきます。

水溶性食物繊維を多くとれる簡単レシピ2選

・3種のネバネバ盛り:

さっと湯通ししたオクラを小口切りにします。そこに、納豆とメカブを加えてよく混ぜます。納豆のたれやしょうゆ、ポン酢など好きなもので味つけをします。仕上げにゴマをふったり、しそをのせたりしても美味しいです。

オクラをモロヘイヤや長いもに代えるのもおすすめです。

・大根とワカメのスープ:

鍋に、オリーブオイル少々とみじん切りのにんにくを入れて、火にかけます。香りがたったら、薄切りにした大根を加えて透明になるまで炒めます。水とコンソメを入れて、戻したワカメを加えます。一煮立ちしたら、塩・コショウで味を整えます。

ごま油と中華スープのもとで作れば、中華風に楽しめます。

では、水溶性食物繊維を多くふくむ食材を以下にあげます。

昆布やワカメなどの海藻類

りんごやカンキツ類

エシャロット、にんにく

あずきや金時豆、ひよこ豆など豆類、納豆

なめこ、オクラやモロヘイヤなどのネバネバ食品

切り干し大根や干ししいたけ

ごぼう、梅干し、ごま

プルーン、アボカドなど

不溶性食物繊維は腸内の掃除をする

もう一方の不溶性食物繊維は、植物の細胞壁のことです。野菜などのすじや繊維の部分が不溶性食物繊維になります。この不溶性の食物繊維は繊維同士の力が強いため、人の消化液では消化されません。さらに、水分を吸収してふくらむ性質があります。

この繊維がふくらむときに、腸内に残った食べものや死んだ腸内細菌をまきこみ、うんちとなって外へだしてくれるのです。不溶性食物繊維のおかげで、腸の中はいつもきれいに保たれます

例えば、便秘のときなどで食べたものや腸内細菌の死がいが外へだされず、いつまでも腸の中にあるとどうなるでしょうか。古い食べものは腐敗しはじめ、悪い働きをする腸内細菌がふえていきます。

すると、古い食べものや腸内細菌が出す腐敗物質や毒素により、腸内環境がますます悪化します。その腐敗物質や毒素は腸から吸収されてしまい、血液を通して全身にめぐります。その結果、エネルギーをうまく燃やすことのできない代謝の悪い太りやすい体になってしまうのです。

そこで、腸の中を掃除していつもきれいに保つために、不溶性食物繊維がふくまれる食材をしっかり食べる必要があります。

以下では、不溶性の食物繊維のレシピを紹介します。

不溶性食物繊維を多くとれる簡単レシピ2選

・お好みきのこのホイル焼き:

好きなきのこ数種類を用意します。石づきをとり、食べやすい大きさにさきます。アルミホイルにきのこをのせて、オリーブオイルを大さじ1と日本酒を少々ふりかけてから包みます。トースターで5~10分ほど焼きます。焼きあがったら塩・コショウ・レモン汁・しょうゆなどかけると美味しいです。

・おからハンバーグ:

通常のハンバーグだねに入れるパン粉を、おからに変えて作ります。焼きあがったらトマトの缶詰めをくわえて、コンソメとはちみつで味をつけて煮込めば洋風煮込みハンバーグになります。和風だしをくわえた大根おろしで軽く煮込むと、和風ハンバーグにできます。

では、不溶性食物繊維が多くふくまれる食材をあげます。

パセリやしそなど野菜全般

ごぼうなどの根菜類

外側の皮がついた穀物(玄米や全粒小麦)

大豆や大豆製品

えんどう豆レンズ豆などの豆類

落花生やアーモンドなどのナッツ類

果物

里いもやこんにゃくなどのイモ類

のりやひじきなどの海草類

きのこ類

切り干し大根やキクラゲ

プルーン、ココアなど

食物繊維が豊富なほとんどの食材には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の両方がふくまれています。しかし、それぞれの役割が異なるため、どちらも意識してとるようにしましょう。

注意点としては、「食物繊維を意識してとっているのに変化がなかったり、便秘が悪化したりすることがある」ことです。そのときは、不溶性食物繊維が多い食材ばかりを食べている可能性があります。

便秘のところへ不溶性の食物繊維ばかりを食べると、つまっている便の後ろへさらに硬いうんち(不溶性食物繊維)がつまるようになります。そのときは、水溶性食物繊維の海草や納豆などのネバネバ食材を先に意識してとるようにしましょう。腸内細菌の大好物を食べることで、腸内環境が良くなり、やわらかいうんちになります。

生きた細菌がいる発酵食品を食べて腸内細菌を元気にする

次に、発酵食品についてです。発酵食品は、「さまざまな種類の細菌を使い、食材を発酵させてできる食べもの」です。生きた細菌がいる発酵食品を食べることで、「生きたままの細菌」と「細菌がだす体に良い分泌物」をとることができます

発酵食品には納豆菌を使ってつくる納豆や、ビフィズス菌をつかったヨーグルトなどがあります。

発酵食品の中でも日本に古くからある発酵食品には、納豆やみそ、ぬか漬けなど多くの種類があります。日本の発酵食品は、そのほとんどが植物性のものや魚から作られます。長いあいだ、米や野菜、豆、魚などを食べてきた日本人の腸には、植物性の発酵食品がよく合います

では、発酵食品を使ったレシピを紹介します。

発酵食品を使った簡単レシピ2選

・納豆の油揚げ包み焼き:

千切りのシソと納豆を粘りがでるまでよく混ぜて、付属のたれやしょう油で味をつけます。半分に切った油揚げに納豆をつめてようじで口をとじます。トースターで軽く焼き色がつくまで焼いたらできあがりです。シソの代わりにネギやパセリにしても美味しくできます。

・食物繊維たっぷりキムチ鍋:

水菜、ごぼう、キャベツ、きのこ、木綿豆腐、タラなどの白身魚、キムチ、鶏がらスープを鍋に入れます。具材に火が通ればできあがりです。みそ鍋や豆乳鍋にしても腸内細菌が喜ぶ鍋になります。

では、以下に具体的な発酵食品をあげます。

しょうゆ、酢(合成酢いがい)、みりん、みそ

日本酒、焼酎

塩麹、甘酒

かつお節、塩辛

ふなずし、へしこ

ぬか漬け、西京漬け

納豆、キムチ

ヨーグルト、チーズなど

例えば、台所に常備されている基本の調味料にはしょうゆ、みりん、酒、みそ、お酢といったものがあります。これらの調味料は麹(こうじ)菌からつくられた発酵食品です。外食したとき、和定食などについているおみそ汁や漬物なども発酵食品です。

昔ながらの日本食には、しょうゆを使った料理やおみそ汁、漬物といった発酵食品を使っている料理が多くあります。和食を毎日の食事に加え、毎食事に発酵食品を1品つけるように意識するとよいです。

さまざまな発酵食品を食べて、いろいろな種類の細菌をとりいれましょう。しかし、発酵食品から生きた細菌をとっても、1度で大量に食べたり、数日食べたりしただけでは腸内環境は良くなりません。

なぜなら、食べるのを止めると体に良い働きをする腸内細菌は減ってしまうためです。長く食べ続けること、習慣にすることが大切です。

つねに腸内細菌のエサとなるものを腸に送ることで、腸内細菌のバランスが整います。こうしたことを意識することで、便秘が解消され痩せ体質に近づきます。

オリゴ糖を食べて良い腸内細菌を確実に増やす

オリゴ糖も腸内環境を整える食品です。オリゴ糖をとると、もともと腸の中にいるビフィズス菌や乳酸菌がふえます。なぜならオリゴ糖は、熱や酸に強いため消化されないまま腸までとどき、腸内細菌のエサになるためです。

オリゴ糖を食べると良い腸内細菌がふえるため、腸内細菌のバランスが良くなります。

では、オリゴ糖をふくむ食材でつくる簡単おやつを紹介します。

オリゴ糖を含む食材で簡単おやつ

・みそナッツ:

素焼きのナッツ類、アーモンド、くるみ、カシューナッツ、マカダミヤナッツなどに好きな味噌をつけて食べます。ナッツの食物繊維と発酵食品のみそを一緒にとれるおやつです。

・はちみつバナナ:

バナナの皮をむき好きな大きさに切ります。そこに、はちみつをかけて食べます。ナッツやヨーグルトをかけると朝食にもなります。

では、オリゴ糖がふくまれている食材を以下にあげます。

玉ねぎ、ごぼう、とうもろこし

バナナ

大豆、みそ、しょうゆ

はちみつなど

ここに、オリゴ糖を摂取したときに、腸内細菌であるビフィズス菌の量がどう変化するかを調べた実験データがあります。このデータは日本栄養・食糧学会誌に載せられたものです。

1 日1 回2 g のガラクトオリゴ糖を20 日間摂取したときのビフィズス菌(腸内の善玉菌)の増減値

摂取日数 ビフィズス菌の量
摂取前 15,4 %
10 日目 29,8 %
20 日目 33,7 %
摂取停止15 日後 摂取前と同程度まで減少

日本栄養・食糧学会誌vol.45 より引用

このように、オリゴ糖をとり始めてすぐ腸内のビフィズス菌がふえます。しかし、オリゴ糖の摂取をやめるとすぐにビフィズス菌は減ってしまいます。そのため、腸内細菌のエサとなるものを食べ続けることが重要です。

オリゴ糖を食べ続けることで、良い働きをする細菌が確実にふえて、腸内細菌のバランスが整います。そして、便秘が解消してエネルギーを燃やしやすい体になるのです。

しかし、食品から効率よくオリゴ糖のみをとるのは難しいです。また、ダイエット中も甘いものを食べたいものです。そのようなときは砂糖の代わりに、市販されているオリゴ糖やはちみつを使うのがおすすめです。腸内細菌のエサになり、砂糖より低カロリーのためです。

ただ、オリゴ糖を一度に大量に食べるとお腹がゆるくなる(下痢になる)ことがあります。また、オリゴ糖は砂糖より低カロリーです。しかし、食べ過ぎると太る原因になります。そのため、砂糖よりカロリーが低いとはいえ、オリゴ糖やはちみつをダイエット中に使いすぎのるは注意しましょう。

すぐ使える食物繊維豊富な便利食材

さいごに、食物繊維を簡単にプラスできる便利なお手軽食材をご紹介します。

・ふりかけ香味野菜:

シソやパセリをよく洗いしっかり水気を切ります。それを、ビニール袋やジップロックなどに入れて空気を抜いて冷凍します。凍ったらビニールに入れたまま手でもみ、粉々にします。サラダやスープなど料理の仕上げにふりかけるだけで、食物繊維をプラスできます。

・お手軽きのこ:

きのこの石づきをおとします。使いやすい大きさに裂き、ビニール袋やジップロックなどに入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存します。炒め物やホイル焼き、スープの具など使いたいときにいつでも手早く使えます。

・いつでもサラダ:

キャベツやレタスをよく洗い、水気をしっかり切ります。食べやすい大きさに切り、大きなボウルやタッパーにたくさん入れて保存しておきます。このとき、かいわれ大根やいろいろな野菜のスプラウト、ベビーリーフなどをまぜると栄養価がグッとアップします。食べるときに盛りつけるだけでよいため、忙しいときも野菜をたくさん食べられます。

どの食材も一年中手に入るものばかりです。ちょっとした工夫で、腸内細菌バランスを整える食事をとることができます。自分好みの具材や味をみつけて美味しく食べましょう。

まとめ

食材の一つ一つに役割があります。野菜や海草などにふくまれる「食物繊維」は、うんちの量をふやします。納豆やみそといった「発酵食品」や「オリゴ糖」は、腸内細菌のエサになり腸内細菌を元気にしています。

これらのどれも、良い腸内細菌をふやして痩せやすい体になるために欠かせない食材です。腸内細菌のバランスが整い、便秘が解消し代謝が良くなることでエネルギーを燃やせる体になります。

食生活を一気に変えることは、大変なことです。数日続けて、変化がないとあきらめないでください。長いあいだ腸の中に住み続けている悪い腸内細菌は、すぐにいなくなってはくれません。

わたしも子供のころから便秘体質で、便秘解消はあきらめていました。しかし、野菜や発酵食品をたくさん食べるようになって、2ヶ月目くらいからようやく変化があらわれました。

その後すぐに、腸内細菌のバランスが良くなり健康的といわれるバナナうんちが出るようになりました。そして今では、毎朝便秘知らずです。

さらに、わたしは長いあいだ、太りたくないために食事の量を少なくしてきました。しかし、腸内細菌バランスが整い便秘知らずとなった今は、食事量を減らしていたときの倍以上食べています。

たまに、お肉や甘いものを多く食べることもありますが、それでも太らなくなりました。便秘になったり太ったりしたのは、腸内細菌バランスを整える食事をしていなかったためと実感しています。

まずは、「和食を選ぶ」「おみそ汁を飲む」「毎日納豆やヨーグルトを食べる」「おやつにナッツや果物を食べる」など、できそうなことから始めるといいです。続けることが大切です。食習慣を少しずつ変えて、腸内細菌に良いことを一つ一つ増やしていきましょう

腸内細菌ダイエットで、やせる食習慣を身につければ一生やせ体質になれます。